産経新聞「健康ライフ」記事
第1回トクホセミナー
生活習慣病の一次予防とトクホの有効利用をめぐって (2)
参加者まじえパネルトーク
 第一部の基調講演を受けて、第2部では、日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄氏も加わり、引き続き、大妻女子大学家政学部教授の池上幸江氏の総合司会で参加者からの疑問・質問を中心にしたパネルトークを行なった。

池田 各種の疾病異常に関して、医薬品を使用する前の段階にある境界域の方々が正常域に戻れるように、ご本人に見合ったトクホを選択して使用するのは勧められてよい方法だと思います。この境界域の人たちが、事実上、4月から始まった特定保健指導の積極的支援対象にもなるわけです。ここでどうトクホを生かしていくのか、個々人が適正に判断できるような啓発活動が一番のポイントとなるでしょう。
食品の効能を知り、機能性を正しく理解
池上 トクホデータの信頼性について

池田 まず、動物実験から最終的には無作為割付による二重盲検のヒト試験まで、有効な成分に対する非常に基礎的なデータが要求されています。そして論文内容についても学会誌等で専門家に厳しくチェックされ、その上でさらに安全性も十分に担保されているということで、現在のトクホの信頼性は高いものがあります。

池上 疾患ごとのトクホ、例えば、高血圧に関しては

和田 高血圧にかかわるトクホには、降圧に働くアンジオテンシン変換酵素阻害作用成分を含有したものが販売されています。これらの効果については若年者に比較して高齢者では若干弱いといった特徴が知られていますが、特段の問題はありません。トクホ全般にいえますが、多量に摂取してもその分効きめが増すわけではなく、逆に副作用が出てくることを考慮しなければなりません。
 付け加えれば、医師に相談することもなくトクホを用いる者がいたり、医師自身もトクホへの関心が低かったり、知識を持たなかったりするケースもあるため、今後はその辺に対する啓発、普及活動が必要になってくると思います。
摂取量の表示をみれば、健康被害も防げる
池上 薬とトクホを同時摂取した場合や疾患のある人に対する注意書きは義務付けられている。摂取量のラベル表示をよく見れば、かなりのところ健康被害も防げるのではないでしょうか。

池田 わが国では医薬品以外は食品のカテゴリーに入る。その中で機能が認められたものが特定保健用食品、トクホです。そのほかの健康食品やサプリメントは、国は一切関知していませんが、現実には、その2つに関連して健康被害が出てきており、日本医師会監修の「健康被害症例集」という本も刊行されているほどです。結局、一般の消費者にトクホの適正使用に関する情報を十二分に提供するとともに、サプリメントなどについては、自己責任において摂取していただくよう啓発していくことが肝要です。トクホに関しても、本当に疾病予防が可能かどうか確認するためにも、今後は、もっと長期的な使用実績が必要となります。これはメーカー側に求められている課題です。

井上 トクホについては効果だけでなく、副作用などの安全情報も整理して、管理者や消費者にもしっかり把握してもらいたいと思っています。当研究会としても、インターネットや新聞を通じてできるだけこのようなデータを公開していきたいと思っています。

池田 トクホが出始めたころと違って、今日では特に糖尿病や、血圧、脂質異常、各種食物繊維などについて、広告を介して有益な情報が提供されています。このことは国民の疾病予防に関して大きなインパクトを与えてきています。いずれにしても古くからいわれてきている食品の効能というものは、確かに存在しているわけであり、そいう機能性を正しく理解した上で摂取するという姿勢が、疾病の予防、あるいは健康の増進に寄与するという意味において、「トクホ適正使用」が極めて重要なことだといえます。

<産経新聞 2008/12/19>
2008年12月更新