脳におけるアラキドン酸の作用 心の病に予防効果?
2009年04月14日
肉、卵、魚などに多く含まれる栄養素「アラキドン酸」が脳の神経細胞の生成を促すことを、東北大などの研究チームが動物実験であきらかにした。研究成果は米科学誌科学誌「PLoS ONE」に7日発表された。
脳の発生期に適切な栄養摂取
アラキドン酸は肉、卵、魚などに多く含まれる。リノール酸やDHA(ドコサヘキサエン酸)と同様に多価不飽和脂肪酸で、脳や肝臓、皮膚など体の全体にある重要な成分となる。多価不飽和脂肪酸が不足したりバランスが悪いと、体調を崩す原因になると考えられている。食事でとったリノール酸から体内で合成されてつくられるが、その量は少ないので食事から摂取する必要がある。
アラキドン酸は従来より脳の神経細胞の結合(シナプス)に関わっていると指摘されており、神経細胞の生成が減少すると学習能力、記憶力の低下、精神疾患の発症などに影響すると考えられている。
研究では、アラキドン酸を含む餌を与えた母ラットの母乳を、仔ラットに生後2日目から4週間にわたって飲ませた。すると神経細胞の生成数はアラキドン酸を与えなかった場合に比べ30%増えた。また、生まれつき神経細胞の生成が少なく脳の感覚入力のフィルター機能が弱いラットに、アラキドン酸を含む餌を生後2日目から成体になるまで与えたところ、やはり神経細胞の生成は向上しそれまでみられた突然の刺激(音)に反応しやすい状態が改善した。
脳が発達する胎児期に、妊婦の栄養不良やウイルス感染、周産期障害など、何らかの原因で神経回路がつくられるのが障害されると、成長してから統合失調症など精神疾患の発症に影響する可能性がある。研究を行った大隅典子・東北大学大学院医学系研究科教授らは、「適切な栄養をとることが発症予防や治療に役立つ可能性がある」と話す。
東北大学アラキドン酸が神経新生促進と精神疾患予防に役立つ可能性を発見(リリース)
Arachidonic Acid Drives Postnatal Neurogenesis and Elicits a Beneficial Effect on Prepulse Inhibition, a Biological Trait of Psychiatric Illnesses
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