温州ミカンの色素成分「β-クリプトキサンチン」
2008年12月25日
 ミカンに含まれる色素成分「β-クリプトキサンチン」が糖・脂質代謝異常を改善し、脂肪細胞の肥大化を抑える作用があるという研究成果が、10月に大分で開催された「第29回日本肥満学会」で発表された。

 この研究は、京都大学大学院農学研究科、農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所(茨城県)、アークレイ(京都市中京区)の研究チームによるもの。
脂肪細胞の肥大化を防ぐ働き
温州ミカン
 果物や緑黄色野菜には天然色素である力ロテノイドが各種含まれている。カロテノイドには、動脈硬化や虚血性心疾患などの生活習慣病の予防に役立つ抗酸化ビタミンとしての役割や、新たな健康機能があると考えられている。そのうち「β-クリプトキサンチン」は温州ミカンなどに多く含まれるオレンジ色の色素で、ミカン1個当たり実と皮に各1mgから1.5mg含まれる。

 研究チームは肥満・糖尿病のマウスに毎日、β-クリプトキサンチン4mgを4週間続けて与える実験を行った。すると通常のマウスと比べて脂肪組織重量が減少した。脂肪組織で脂質代謝に関与するPPARγの活性が抑制され、遊離脂肪酸が細胞内に入るのを抑え脂肪細胞のサイズが小さくなることを確かめた。また、β-クリプトキサンチンを摂取することで、糖・脂質代謝異常を改善する効果を得られることも分かった。
β-クリプトキサンチンの構造式
 今後はヒトでの効果を確かめる臨床実験を行う予定。アークレイは、温州ミカンの果汁から出た成分をペースト状にして、β-クリプトキサンチンを温州ミカンの約40倍含む食品素材を開発。5月には、同成分がコレステロール値を下げる効果があるという実験結果を発表している。メタボリックシンドロームなどの予防に役立てるため、この食品素材を利用した健康食品の開発なども計画されている。

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
機能性食品素材(アークレイ(株))
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