健康食品による健康被害をストップ 第三者機関設置
2008年11月12日
 健康食品に関して、科学的根拠がない製品や、違法に医薬品成分が添加された製品が販売され、重大な健康被害を引き起こした事例が、これまでに多く報告されている。国や自治体は対策に乗り出している。
法令違反の健康食品を摘発
 「健康食品」には制度上の明確な定義はなく、一般的に「健康の保持増進に資する食品として販売されるもの」として理解されている。錠剤やカプセルといった形状があり、品質もさまざま。特定の成分を過剰に摂取しやすく、逆に健康を害するおそれがある。含まれる成分の有効性や安全性などの科学的根拠が乏しい場合も少なくない。

 東京都は、「健康食品」による健康被害を未然に防止するため、法令違反の可能性が高いとみられる製品の試買調査を行っている。今年3月に発表した「平成19年度健康食品試買調査結果」によると、検査を行った154品目のうち、113品目に法令違反がみつかった。

 うち6製品からは、国内で医薬品として承認されており勃起不全が適応となる「シルデナフィル」やその類似成分が検出された。これらは、男性機能の向上や、強壮効果に効果があるといった表現を使い売られていた疑いがある。その他にも、「ダイエット効果」、「不眠の改善」、「関節機能の維持・改善」が得られるなどの表現を使い売られていた違反商品が多くみつかった。

 さらに都は今年5月に、健康食品などを販売していた事業者7社に、特定商取引法に基づき業務停止命令を出した。健康不安を抱える高齢者をターゲットに、「廉価商品を餌に、巧みな話術で時間をかけて洗脳し、薬効を謳い、次々と高額な健康食品などを販売した」としている。

 この7社は「食料品などが格安な値段で購入できるなどと言って高齢者を会場に誘い、数ヵ月にわたり、安価な商品を販売しながら健康についての講習を行い、巧みな話術で健康不安をあおったり、薬事法に抵触するような虚偽説明などにより、最終的に高額な健康食品を多量に契約させていた」という。
健康食品の安全性確保
 「健康食品」による健康被害が次々と報告され、食品の安全性や有効性に対する関心が高まるなか、国も対策に乗り出している。このほど第三者機関による認証制度を導入する方針を固めた。

 厚生労働省は、「健康食品」として流通している食品について、「『健康食品』の安全性確保に関する検討会」を立ち上げ、安全性確保などのための規制策を検討していた。新たに導入される認証制度では、(1) 原材料の安全性の確保、(2) 製造工程管理による安全性の確保、(3) 実効性の確保――の3点を重点的にチェックし、消費者の安全確保を目指す。

 第三者認証の具体的な仕組みとしては、学識経験者や消費者、製造事業者等からなる認証協議会を組織し、認証機関の指定、認証基準の設定、認証機関の指導監督などを行う体制を整備する。認証を受けたことを示すマークの統一も検討している。

資料
 食品の安全性や食品表示について規定した法律は、薬事法、食品衛生法、健康増進法、景品表示法などがある。

薬事法:医薬品的効能効果の標ぼうの禁止
食品衛生法:名称、添加物、期限表示などの表示の遵守
健康増進法:栄養表示基準の遵守、健康の保持増進効果などに関する虚偽・誇大な表示の禁止
JAS法:名称、原材料名、内容量、期限表示等の表示の遵守
景品表示法:優良誤認、有利誤認等不当表示の禁止

 特定保健用食品(トクホ)は、国が製品ごとに有効性と安全性についての科学的根拠を審査した上で、期待できる機能などの表示を認めている。主な利用対象は、生活習慣病の予備群や、健康に不安がある人など。
 トクホには、摂取により期待できる効果、適切な摂取量、過剰摂取による影響が製品情報として表示されている。注意したい点は、医薬品と異なり、病気の治療のために使用するものではないこと。医師による治療を受けている人が利用する場合は、主治医に相談することが勧められている。

「健康食品」で、154品目中113品目に表示等の法令違反!!(東京都)
長期にわたり廉価商品で高齢者を集め、高額商品を販売する"宣伝講習販売業者"に集中処分!!(東京都)
「健康食品」の安全性確保に関する検討会報告書(厚生労働省)
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