母乳にだけあるビフィズス菌を増やす成分
2008年07月16日
 食品総合研究所や京都大学などの研究チームが、ヒトの母乳に含まれるビフィズス菌を増やす成分の解明に世界で初めて成功した。

 ビフィズス菌などの乳酸菌は、腸内の有害な菌の生育を抑えたり、消化酵素の分泌を促すなど整腸作用があるので、「善玉菌」とも呼ばれる。母乳で育てた乳幼児の腸には、人工乳で育てた乳幼児に比べ、住みつくビフィズス菌の数が圧倒的に多い。

 母乳に含まれる「ミルクオリゴ糖」がビフィズス菌を増やす作用をすると考えられおり、このことは、ミルクオリゴ糖と異なるオリゴ糖を添加した人工乳で乳幼児を育てても母乳に比べビフィズス菌が増えないことから裏付けられている。

 これまでは、ミルクオリゴ糖がどのようにしてビフィズス菌を増やすのかよくわかっていなかった。またミルクオリゴ糖を製造する方法も開発されていなかった。

 そこで研究チームは、母乳中にビフィズス菌を腸内で増殖させる因子があると考え、それを遺伝子レベルと分子レベルで突き止めた。この研究には、食品総研、京都大、東京大、石川県立大の研究者が参加した。

 母乳中のビフィズス菌がミルクオリゴ糖の構成成分である特定の二糖(ガラクトースとアミノ酸が結合したもの)を取り込み、増殖因子として利用していることをあきらかにした。母乳にはこの二糖のみを特異的に菌体内に入れるトランスポーターがあり、菌体内にエネルギーに変換する酵素系が存在するという。

 研究チームは、それらに関わるタンパク質の結晶構造もあきらかにし、増殖因子と考えられる二糖の大量調製にも成功した。

 この研究成果は、母乳により近い粉ミルクや健康食品の開発に役立つ。

食品総合研究所
代表的な善玉菌であるビフィズス菌の増殖因子を発見(京都大学)

Copyright ©1998-2009 Soshinsha. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
©2008-2009 トクホ適正使用研究会